様々な特殊な生物が知られていて、洞穴への依存の程度は生物によって異なり、
地上の暗い所に生育するものとさほど変わらないものもあれば、
洞窟内でしか見られないような特殊なものもある。
地下水に生きる生物との関連も考えられる。
ホライモリ
体長は約30cm。前肢の趾は3本、後肢の趾は2本。
スロベニアのカルスト地方、そしてクロアチアとボスニアヘルツェゴビナのカルスト地形である
ディナール山脈を流れる地下水にしか生息が確認されていない幻の洞穴生物。
食事はというと嗅覚と側線感覚によって地下水の中に住む小さな甲殻類などを捕食するのだが、
めったに獲物は見つからないので10年くらいは何も食べなくても生きていけるというストイックな生き物。
寿命が長く80~100年生きると言われているが、観察するのが難しくまだ証拠は出揃っていない。
また、皮膚の色が人間の肌の色(白)に似ているため類人魚とも呼ばれている。
また、卵ではなく幼生を直接産み出すことがある。
尚、ホライモリは工業廃液による地下水の汚染によって重大な影響を受けており、
EU生息地指令によって厳重に保護されている絶滅危惧種生物でもある。
洞穴生物の分類
1.真洞穴性生物・・・・・洞穴の中に生息し洞穴の中でしか生きられないもの
特徴:光の無い世界に生息するため目が退化したり消失している。
体が白っぽくなったり透明化する。皮膚が薄くなる。
暗闇の中で眼の役割を果たす触角や体毛が発達している。
2.好洞穴性生物・・・・・洞穴でも外でも生活できるが洞穴の中を好んで住み処とするもの。
3.周期性洞穴生物・・・夜行性の動物で、昼は洞穴で暮らし夜になると洞穴の外に出て活動するもの(コウモリなど)
4.外来性洞穴生物・・・洞穴内に迷い込んで来た生物で、洞穴の中では生きられないもの(カマドウマ・オオゲジなど)
光の届かない環境に生息しているので紫外線を防ぐ必要がなく透明な殻と体をしている。
洞窟という資源(餌)の乏しい環境に生息していて少ない餌でも生きていけるように
代謝を低くしたため数週間に数ミリ程度しか動けない。


生物の環境としての洞穴は、以下のような特徴を持っている。
■光がない。洞穴の入り口など、ごく一部を除いては光が入らない。
逆に、光の入る範囲は、以下の特徴に関して洞穴内部的にならない。
■湿度が高い。年間を通じて常に高い湿度を保つのが普通である。
特に鍾乳洞の場合、定常的に内部に水が流れ込むのがその形成の要因であるから、
湿度が高く、壁面も濡れていて、底面には水流があることが多い。
■温度が一定である。温帯地域では例えば15℃前後であり、夏は涼しく、冬は暖かい。
熱帯地域では、さすがに涼しくはなくとも、外よりは温度が低い場合が多い。
■食料に乏しい。植物が存在しないので、生産量はごく少ない。
わずかに外部から流れ込む栄養分がたより、といった状況であると考えられ、
動物の密度もごく低い。ただし、以下の例外がある。
上記に対する注目に値する例外は、コウモリの集団が生息する場合である。
洞穴性のコウモリのいくつかの種は、集団で生活し、数百から数万、時にはそれ以上の個体が集まって
特定の洞窟に入り、その天井で休息、繁殖を行う。彼らは夜間に洞穴の外に出て餌を漁り、
洞内に入って昼は休むので、コウモリの集団の下の地面はコウモリの糞だらけになる。
洞内は悪臭に満ち、また、糞の発酵による熱によって気温が高くなる。そして、この糞を栄養源とする
生物群集が成立し、非常に動物の密度の高い場所となる。大抵は洞窟の底の糞の山には、
これを食うハエ類の幼虫やゴキブリなどが無数に繁殖し、場合によっては隙間もなく虫がうごめく、といった状態になる。
また、そうして繁殖した虫を餌とするオオゲジやアシダカグモなどが壁一面に止まる。コウモリの死体もこれらの動物の餌になる。
代表的な洞穴生物
■脊椎動物
・哺乳類:コウモリ類(コキクガシラコウモリ・ユビナガコウモリなど)
・鳥類:アブラヨタカ、アナツバメ
・両生類:ホライモリなど
・魚類:ブラインドケーブ・カラシン(Astyanax jordani カラシン科)・ドウクツギョ科(Amblyopsidae)・ミミズハゼなど
■節足動物
・昆虫類:トビムシ・ガロアムシ・キノコバエ・ヒカリキノコバエ・ハサミムシ・ゴキブリ・メクラチビゴミムシ
・多足類:カザアナヤスデ(タテウネホラヤスデ)・ネンジュヤスデ・イチハシヤスデ・
ホタルヤスデ・リュウガヤスデ・クロイワヤスデ・オオホラヤスデ・クラサワヤスデ・
コマカドオビヤスデ・ノコギリヤスデ・タメトモヤスデ・メクライシムカデ・オオゲジ
・クモ類:マシラグモ・ホラヒメグモ・アシダカグモ・ヤイトムシ・カニムシモドキ
・甲殻類:ムカデエビ・ムカシエビ
■軟体動物
・巻き貝類:ホラアナミジンニナ
・環形動物:ホラアナゴカイ

史上最大のネコ科動物とされるアメリカライオン(更新世前中期。絶滅種)に匹敵している。
ホラアナライオンの姿はクロマニヨン人などの壁画にも描かれている。
やや原始的なライオンの一種で、ロシア東部などユーラシア大陸で化石が発見されている。
乾燥し、比較的寒冷な環境を好んでいたようで、おそらく深い毛に覆われていて、
氷河期には洞窟に住み、ツンドラ地帯を行動していただろう。また間氷期には深い草原や森林にすんでいた。
ライオンの骨がマンモス、ウマ、ヤギュウ、ラクダなどと共に同じ地層から発見されているので、
ホラアナライオンがこれらの動物を襲い、獲物としていたことは確かなようだ。
壁画などの考古学上の研究から、南ヨーロッパでは2000年前ぐらいまで生き残っていたようだといわれる。


海綿動物の仲間であるカイロウドウケツは、英名を「ビーナスの花かご」といい、
胃腔中に雌雄一対のドウケツエビが生涯外に出ずに共生することから、
「夫婦睦まじく、共に老いるまで連れそうこと」「夫婦の愛情深く、生きては共に老い、死しては穴を同じうして葬られること」
の意味として偕老同穴と名付けられました。
実は、海綿動物の仲間は、約7000種が報告されていますが(日本からは約300種)、
形態の変異性が大きいことなどから分類が極めて困難で、いまだに分類体系すら確立されておりません。
また、カイロウドウケツの仲間は、水深100m以深の深海に分布しており、生時の様子を見ることは極めて困難です。
どのように雄雌ペアのドウケツエビが体内に住みつくのかも判っていません。

かつては洞窟で進化した洞穴生物と考えられた。
しかし、洞穴生物学の研究の進展により、土壌より下層の地下浅層と呼ばれる層で、
風化した岩石の間に形成された間隙に適応して進化した昆虫であり、洞窟以外でも
地下の広い範囲に生息することが明らかになった。
地下生活に強く適応した結果目が退化し、その代わりに感覚毛が長く伸びて発達している。
ちなみにこの学名は、今でも改名すべきか論争が起こっている。
たとえ調査ずみの洞窟でも、身を潜めるのが得意な洞窟生物たちを見つけるのは容易でない。
これまでに約7700種が確認されているが、この数字は氷山の一角に過ぎない。
スローライフなだけに寿命は長く、米国アラバマ州のシェルタ洞窟に棲んでいるアメリカザリガニの
一種(Orconectes australis)は、100歳で子を産み、寿命は175歳に及ぶという。
真洞窟性動物では世界初の確認例で、これをしのぐ大きさの真洞窟性動物はいまだに見つかっていない。

この虫は落ち葉の下で有機物を食べ、ひっそりと生活している。
陸のプランクトンと呼ばれ、一つかみの落ち葉と土の中には、数十匹から数百匹のトビムシが生息している。
洞窟性トビムシは生物地理学的にも注目されています。
洞窟は氷河期にはトビムシに退避地を提供し、残存種の生息地となっているからです。
多くの洞窟は閉鎖系で、安定した環境が数百万年もの長い間保たれています。
また、多くの洞窟で湿度は100%近くで、温度は10℃前後とほとんど変化しないと言われています。
住み場所としての洞窟は、凍結の心配もなく環境条件(温度、湿度)の変化が非常に少ないという特徴を持ちます。
この特殊な環境条件の中、適応放散し、洞窟固有種が誕生したと考えられています。
さらに共通の選択圧により、形態的によく似た種が様々な洞窟で誕生したようです。
洞窟性のトビムシには、眼が完全に退化してしまった種や、跳躍器が退化した種、
湿った表面を効率的に歩くために爪が長くなった種などがいます。
また、ほとんどの種が色素を持たず、白っぽい体色をしているのも特徴です。
様々な理由のうち最も重要なのは、体表の色素によって日光の紫外線を反射したり
吸収したりして遮らないと、細胞や遺伝子が深刻なダメージを受けてしまうということです。
色素が遺伝的に欠損したアルビノ個体は洞穴内でも洞穴外でも突然変異により一定の確率で生じます。
明るい場所のアルビノは上記理由から淘汰されて子孫を残しにくいのに対して、暗い洞穴内では
紫外線防御の必要が無いので子孫を残すことができます。しかも色素を合成する必要がないので、
むしろ色のついた個体よりもアルビノのほうが適応度が高いとも言えるでしょう。
では何故体色が白い色になるのかというと、体が蛋白質でできているからです。
色というのは、可視領域の波長の光が物質に吸収されることによって生じます。
この可視領域の波長の光を吸収するのは物質中に共役している二重結合がいくつもある場合で、
吸収する光の波長は、共役している二重結合が多いほど赤色側に、少ないほど青色側にシフトします。
二重結合が極めて少ない物質であれば、吸収する光の波長は紫外線領域になります。
蛋白質には二重結合が少ないので、もっぱら紫外線を吸収し、可視光はほとんど吸収しません。
そのため蛋白質はヒトの目には無色になり、光を乱反射すると白に見えるのです。
実際には若干の青色光を吸収するので、極薄い黄色(青の補色)に見えます。
そこではまず、硫黄化合物、メタン、鉄、水素などをエネルギー源として特殊な微生物が育ち、
さらに上位の生物へと続く食物連鎖を支えている。
2006年5月、イスラエルのテルアビブ近郊の採石場で偶然発見されたアヤロン洞窟は、
数百万年にわたり外界と切り離されていた。ここでは硫黄を含む温かい地下水が微生物を養ってきた。
食物連鎖の上位からは、未知の甲殻類など10種前後の新種の生物が見つかった。
それでも、間接的には太陽の恵みのおこぼれにあずかっている。
遠く地表にそびえる木々が張りめぐらした根の先が、天井の割れ目から垂れ下がり、
虫たちに養分をもたらす。春には雪どけ水の流れにのって、
近くの小川から木の葉や小枝が流れこむ。ネズミなどの動物が洞窟の奥深くまで侵入し、
木の実や巣づくりの材料をもちこむ。洞窟をねぐらにするコウモリも、糞や死骸を残す。
ときには、迷いこんだアライグマやヘビが出られなくなり、
洞窟のつつましい食物連鎖には何百年分にも相当するごちそうを提供する。
洞窟を調べていた調査隊が、ドングリ1個とネズミの糞を見つけた。
モリネズミが運びこんだとみられる木の実の周囲には、一つの完全な生態系が出現していた。
色とりどりの綿菓子みたいなカビ、顕微鏡でやっと見えるくらいの小さなトビムシ、糞を食べる甲虫、
それに体長6ミリほどのヤリヤスデ科とクビブトツムギヤスデ科のヤスデが1種ずつ。
近くには、極細の糸で巣を張るホラヒメグモと、この洞窟の固有種で毒をもつムカデという、小さな捕食者たちも潜んでいた。
ベネズエラでは体長30センチ近いオオムカデが、洞窟をねぐらにするコウモリたちを捕食する場面が目撃されている。
カウィア洞窟に生息するヘリツメグモ科の黒いクモは500円硬貨よりも大きく、地表にすむ近縁種の2倍以上ある。
このクモは巣をつくらずに獲物を追いかけ、トゲのはえた歩脚で捕らえる。
洞窟の入り口付近に生息することが多く、目もあれば体色素もある。
真洞窟性動物へ移行しつつある「好洞窟性動物」に分類されるこのクモは、
地表でも十分生きていける能力を備えていて、地上の岩の下や地面の穴の中でも暮らせる。
直接の祖先にあたる地表生物が、死に絶えてしまっているからだ。
また、地下水層のくみ出しが急速に進めば、水の枯渇とともに貴重な水生動物も
失われてしまう。建設工事のため消滅する洞窟も多い。
洞窟内の在来種が新たに侵入した外来種に追いつめられるケースもある。
調査で洞窟に入った人間が落とす髪の毛やふけ、糸くずも問題を引き起こす。
これらは、地表という異界から同じように人間がもちこんだダニやカビ、細菌などの餌となり、
洞窟生物のライバルを育ててしまう恐れがあるからだ。
洞窟に暮らす新種のカニムシを発見 2011.02.07
毒を持ち、ほとんど目が見えない新種カニムシがアメリカのコロラド州で見つかった。
体長1.3センチの新種「クリプトグレアグリス・ステインマニ(Cryptogreagris steinmanni)」が
最近発見されたのは、温泉で有名なコロラド州グレンウッド・スプリングス近郊の高地にある複数の洞窟。
カニムシは基本的に、毒針の尾を持たないサソリと言える。しかし、この新種は
長いはさみの先端に毒があり、地中の暗闇でトビムシのような素早い獲物を捕まえているようだ。
この新種はグレンウッド洞窟とヒストリック・フェアリー洞窟一帯にのみ生息している可能性が高いという。
原始的な目と淡い色が特徴で、暗く冷たい環境に見事なまでに適しているという。
寿命が比較的長く、危険が迫ると体を丸めると考えられている。
そしておそらく、何百万年も前から洞窟の中を動き回っていたようだ。
超音波でちゃんと避けろよ・・・

節足動物門甲殻綱ムカシエビ目に属する水生動物の総称。
すべて小形種で、体長2ミリメートル以下。井戸水や洞穴、河川の伏流水など地下水中にすみ、
白色で半透明。紫外線に当たると速やかに分解する。体は細長い円筒形で、目は完全に退化している。
頭部のほか8胸節、6腹節からなるが、甲をもたず、付属肢がすべて裸出している。世界で約70種ほど知られている。
日本産はムカシエビ属Bathynellaとオナガムカシエビ属Parabathynellaのほか、固有のカワリムカシエビ属Allobathynellaに属する20種である。
>紫外線に当たると速やかに分解する
面白そう

ハエ目(双翅目)キノコバエ科ヒカリキノコバエ属に分類される昆虫の総称。
この幼虫は洞窟や洞穴などの天井に生息し、青白い光を発するため土ボタルとして知られ、オーストラリア、ニュージーランドなどで洞窟観光資源の一つとなっている。
粘液を20-30mm、長いものでは30-40cmたらす。暗闇でルシフェリンにより青白い光を発し、
虫を誘き寄せて粘液で絡め取り捕食する。幼虫の期間は約6ヶ月-12ヶ月である。
成虫は口を持っておらず、交尾をし、産卵を終えるまでの数日間で死んでしまう。
オスは空腹以外のときは光らない。メスはサナギになっても成虫になっても光る。








124: 極オモシロ生物速報 2017/02/28(火) 13:03:02.82 ID:???
【地球ヤバイ】550万年間封印されていた洞窟が発見される 外界から完全に遮断され異次元の世界に
550万年もの長きにわたり密封されていた空間にも生物は存在するが、その生態系は想像を絶するものだ。
地底湖は、何十億という種類の無機栄養細菌の宝庫だが、生物学者がこれまでに確認できたのは、ヒル、蜘蛛、タイコウチ等の
48種の生き物だけで、内33種はルーマニア国内のみに生息するという。しかも、これらの生物には目がなかった。
完全な真っ暗闇なので視力は必要なく、退化してしまったのだろう。洞窟内の食物連鎖は、メタンと硫黄酸化細菌による完全に独立した化学合成により成り立っている。

引用元: http://rio2016.2ch.net/test/read.cgi/wild/1303481803/